算数が3倍おいしくなるブログ
2017.12.05 / 算数おもしろ問題

13の倍数を見分ける方法と算数の学び方

13の倍数の見分け方は難度は高く、受験算数レベル。でも知っていると算数のおもしろさが増すと思います。黒板の問題、14789788が13の倍数かどうかをひっ算せずに見分けましょう!答えはこちら

〇の倍数を見分ける方法、基礎となる考え方

(1) 数字を10進法の式で表す。

ABCという3けたの数字があったとしましょう。10進法で表す数は、次のような式で表すことができます。

ABC=A×100+B×10+C×1

72534という数字は、
7×10000+2×1000+5×100+3×10+4×1

(2) 10進法の式を変形する

問題の数字が〇の倍数であるかを確かめるためには、10進法の式で表したあとに変形していって、

〇の倍数+それ以外

という形に直すことです。
すると、「それ以外」が〇の倍数であれば、その数字が〇の倍数とわかります。

(3) 13の倍数の見分け方のポイント

1001=7×11×13
つまり、1001の倍数であれば、13の倍数でもあることを利用します。

さっそく具体的に見ていきましょう。
≫ 7の倍数の見分け方
≫ 11の倍数の見分け方
≫ 3~13までの倍数の見分け方を一挙に紹介

13の倍数を見分ける方法

(1) 数字を一の位から3つずつにくぎって3けたの数字にわけます。
(英語の数字の表記と同じで1000ごと)

(2) 3けたの数字をひとつ飛ばしで足してそれぞれの和を求めます。

(3) 2つの和の差を求めて13の倍数であれば、その数字は13の倍数です。

実際にやってみましょう。
「123450789」は、13の倍数かを見分けます。

(1) 一の位から3つずつにくぎって3けたの数字にわけます。
123450789=123,450,789

(2) ひとつ飛ばしで足してそれぞれの和を求めます。
123+789=912(青の数字をたす)
450(赤の数字をたす)

(3) 2つの和の差を求める(大きい方から 小さい方を引く)
912450=462

462=7×11×6

なので、462は13の倍数ではないとわかります。
 

問題の数を、ABCDEFGHIとします。(A~Iは0~9の数字。A≠0)

(ABC+GHI)-DEF

が13の倍数であるかどうかで、ABCDEFGHIが13の倍数かどうかを見分けることができます。理由を考えてましょう。

13の倍数を見分けられる理由(ここが肝心)

(1) ABCDEFGHIを3つずつに区切ってわけます。

ABC, DEF,GHI


(2) ABCDEFGHIを10進法の式で表します。3けたごと(×1000)の省略形です。

ABC, DEF, GHI
ABC×1000000+ DEF×1000+GHI×1
ABC×1000×1000+ DEF×1000+GHI×1

(3) 1001が13の倍数であることに着目します。

1001=13×11×7

1000を1001-1におきかえます。

ABC×1000×1000 DEF×1000GHI×1
ABC×1000×(1001-1) DEF×(1001-1)GHI×1
ABC×1000×1001-ABC×1000×+ DEF×1001- DEFGHI×1
=1001×(ABC×1000+ DEFABC×1000- DEFGHI

1001でまとめました。×1001でくくった1001×(ABC×1000+DEF)はもう13の倍数と分かっていますので消していきます。残ったのは、

GHIABC×1000- DEF(-が前にこないように順番を変えてあります)

ここでまた1000を1001-1におきかえます。

GHIABC×1000 DEF
= GHI -ABC×(1001-1) DEF
= GHIABC×1001ABC DEF

×1001の項-ABC×1001は消していきます。残ったのは、

GHIABC)- DEF

この式で求められる数字が13の倍数であれば、ABCEFGHIも13の倍数であることがわかりました。

大きいけたでも同じことです。ABC DEF GHI JKFという数字であれば、
ABC+ GHI)-( DEF JKF)が13の倍数かどうかで見分けます。

黒板の問題の答え

14789788を、14/789/788のように1の位から3けたずつ区切ります。ひとつ飛ばしの和ですから、
14+788=802と789ができますね。この2つの和の差ですから、
802-789=13 
この導かれた数字で判断します。13は当然13の倍数ですから、14789788は13の倍数というわけです。

ひっ算でたしかめてみましょう。答えは、1,137,676見事割り切れました!
13の倍数をひっ算で確認

「なぜ、そうなるのか」を考えることで思考力を鍛える

倍数の見分け方で学ぶのはまず視点をずらす面白さ。同じ数字でも形が変わると、いろんな法則が見えてくる。知恵と知恵がくっついて、新しい発想が光る瞬間です。難問に見えるのこの問題、たし算、引き算、かけ算しか使ってないのです。

未知なる問題に向かうためには、必ずしも難しい定理が必要なわけではありません。物事の本質を深く理解して対応していく、算数にはしなやかな思考力が大切です。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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≫ 3~13までの倍数の見分け方を一挙に紹介
≫ N進法の考え方をわかりやすく解説

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    大野奈津:モンテッソーリ教育、脳科学、心理学、快適な学習環境づくりの経験を総動員して、苦手意識克服、受験に向けてがんばる子供たちやご家族の目標をサポートしています。







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