和差算ー線分図で文章題に強くなる①
和差算といえば、線分図。
使いこなせば、和差算をはじめ、分配算、倍数算、相当算などややこしい文章題もすっきり解き方が見えてきます。
線分図ビギナーが複雑な比の問題を解けるようになるまで段階を追ってシリーズで理解していきましょう。
目次
線分図とは~文章題攻略の魔法のツール
線分図とは、数や量の大きさを線の長さで表すもの。直感的に2つ以上の大きさをくらべることができます。
例:個数
例:重さ
例:年令
何だってOK。
ポイントは、「ていねいに書くこと」。ぱっと見て大きさがイメージできる必要があるので、左にそろっていない線分図は役に立ちません。
では早速、線分図のパワーを和差算で実感しましょう。
和差算とは~線分図で文章題を解こう
和差算とは、2つ(以上)の数の和や差がわかっているときにその数を求めるもの。
和差算の典型的な問題をみてみましょう。
【問題 1】
タロウはクッキーをハナコより5枚多く食べた。二人で合わせて25枚食べた。タロウは何枚食べたでしょうか。
よっぽどおいしかったのでしょう、たくさん食べましたね。
線分図で書くと下記のようになります。
ふたりが食べたクッキーの和は、25。
ふたりが食べたクッキーの差は、5。
線分図で解くときのコツは、
(1) 知りたい方の長さに合わせて、
(2) 同じ長さの線分図を作る。
タロウ君の個数が知りたいので、ハナコさんの線分の長さをタロウの長さに合わせます。
ハナコの線分が5増えるので、「和」も5増えますね。
25+5=30
これはタロウの線分図の2本分にあたるので、2で割るとタロウの長さがわかる、というわけです。
30÷2=15
タロウの食べた枚数は15枚でした。
タロウがわかれば、和からタロウを引いてハナコもわかるので、
25-15=10
ハナコの食べた枚数は10枚でした。
最初にハナコの量を聞かれているときは、タロウの長さをハナコに合わせると、話が早いです。
タロウの線分が5減るので、和も5減りますね。
25-5=20
となり、2で割ると一発でハナコがわかります。
20÷2=10
やはりハナコの食べた枚数は10枚ですね。
図形問題で、和差算と線分図を使ってみよう
有名なこんな問題があります。さあ大人のみなさん、xやyを使わずに解いてみましょう!
【問題 2】
大中小3つの大きさの正方形が図のように並んでいます。
大の一辺の長さは中の一辺の長さより3cm長く、小の一辺の長さより8cm長いです。大中小の一辺の合計が25cmのとき、大中小それぞれの辺の長さを求めなさい。
線分図を書いてみましょう。差がわかりやすいように、大を真ん中にしてみました。
どれでやってもできますが、わかりやすく大に合わせてみましょう。
小は8増えて、中は3増えますので、和は、8+3増えますね。
25+3+8=36
これが大3つ分ですから、3で割れば大の一辺の長さがわかります。
36÷3=12cm…大
あとは、計算で出しましょう。
12-3=9cm…中
12-8=4cm…小
和差算の応用~分配算
【問題 3】
兄と弟で31枚の切手をわけました。兄は弟の2倍より4枚多くもらいました。兄と弟が分けた切手の枚数はそれぞれ何枚ですか。
弟の枚数を①として線分図を書いてみましょう。
(1)①を求めるために
(2)①だけの線分図をつくる
これまでの問題のように長さを同じに合わせなくても、倍数だけの長さにすればよいことです。
全体の和が4減りますから、
31-4=27
これが①の3つ分ですので、3で割れば①がわかります。
27÷3=9
弟がもらった枚数は①ですから、9枚。
兄は弟の2倍より4枚多いので、
9×2+4=22
22枚でした。
和と差がわかっている2つ以上の数を求めるのが和差算。さらに分配した倍数の情報がわかっているものが「分配算」です。呼び方はあまり気にしなくてもいいですが、同じ長さに合わせるのではなく、①を求めることを考えることがポイントです。
まとめ
和差算と線分図は、塾では小4のはじめに習う単元。それだけ活用できるものですが、受験するしないかかわらず役に立ちますので、是非身につけてほしいと思います。
分配算は、和差算の応用ととらえるのがわかりやすいと思います。分配算の文章題は文章にまどわされやすいですが、基本のコンセプトを理解していれば大丈夫。分配算の練習問題で慣れておきましょう。