算数が3倍おいしくなるブログ
2019.08.07 / 小学五年生

【3の倍数がわかる!】3から13までの倍数の見分け方を完全解説(中学受験)

「3~13の倍数を見分ける方法」を一挙に紹介、解説します。大切なのは、暗記や知識だけで終わらせずになぜその方法で見分けられるのかを自分の頭で理解すること。そうすれば、より深く記憶に定着し、論理的思考力がついてきます。

まず、数の仕組みを理解する。

たとえば、ABCという3けたの数字があったとしましょう。10進法で表す数は、次のような式に変えることができます。

ABC=A×100+B×10+C×1

文章で表現すると、100がA個、10がB個、1がC個をぜんぶ足したもの。
具体的な数字でやってみましょう。725という数字は、

7×100+2×10+5×1=725

ビジュアルだとこんな感じです。

数の仕組みの図表化

4桁の数字であれば、1000の項が増えて

A×1000+B×100+C×10+D×1

5けた6けたと増えれば、万、十万と増えていきます。これが10進法の数字の基本。倍数の見分け方はこの式を、

〇の倍数+それ以外

に変形していくことで理解できます。
「それ以外」の数が〇の倍数であれば、もとの数も〇の倍数ということになるからです。
10進法やN進法という言葉をまだ知らない場合は、普通の数字と考えておいても大丈夫です。

では具体的に見ていきましょう。
≫ 2進法、3進法…N進法のしくみをわかりやすく解説

【3の倍数】「123123123」が3の倍数かどうか1秒で見分けよう

123123123は3の倍数です。見分ける方法はカンタン。

各けたの数字の和が3の倍数であれば、その数字は3の倍数です。

この問題では、1+2+3+1+2+3+1+2+3=18なので、123123123は3の倍数とわかります。
ここでちょっと算数センスを発揮して、”1+2=3”と”3”がくりかえされていることに気がつくと、見た瞬間にすべて数字の和がが3の倍数であることがわかりますね。

【見分けられる理由】
ABCという3けたの数字で考えてみましょう(A~Cは0~9の数字。A≠0)。さきほどの数の仕組みでこの数字が、
ABC=A×100+B×10+C×1
で表現できることを確認しましたね。

これを変形していきます。
注目するのは、

100=99+1
10=9+1

であること。式の中の100と10をおきかえてみましょう。


ABC=A×100+B×10+C×1
=A×(99+1)+B×(9+1)+C×1
= A×99+ A×1+B×9+ B×1+C×1 ←分配の法則
= A×99+B×9+ A×1+ B×1+C×1 ←順番を変更

 

99=3×33
9=3×3(3の倍数)

であることに注目しておきかえる。

= A×99+B×9+ A×1+ B×1+C×1
= A×3×33+B×3×3+ A×1+B×1+C×1
=3×(A×33+B×3)+(A+B+C)←結合の法則

3×(A×33+B×3)が3の倍数であることは3×でくくれているのでわかりますね。
なので、残った(A+B+C)が3の倍数であればこの整数は3の倍数ということになります。

何を目的にこのような式の変形をしてきたかを意識することが大切です。
3の倍数とそれ以外=3で結合できる整数とそれ以外、という形を作るために、
100をわざわざ100=99(3の倍数)+1にわけたのです。

このやり方は、7の倍数、11の倍数、13の倍数の見分け方にも通用するのでしっかり理解しておきましょう。

【もっと早く見分けるコツ】
5798458126307など、けたが多いときに便利な方法を紹介します。

各けたの数字の中で3の倍数(0, 3, 6, 9)を消してしまう。
次に2つ(3, 4つ)合わせて3の倍数になるものを消す。

やってみましょう。
(1) 5, 7, 9, 8, 4, 5, 8, 1, 2, 6, 3, 0, 7の中の3の倍数を消す。
5, 7, 9, 8, 4, 5, 8, 1, 2, 6, 3, 0, 7
→5, 7, 8, 4, 5, 8, 1, 2, 0, 7

(2) 2つ合わせて3の倍数になるものを消してみます。
見つけたものを手当たり次第で大丈夫。
5, 7, 8, 4, 5, 8, 1, 2, 0, 7
ここでは、5+1, 7+2, 8+4, 5+7を消しました。

(3) 残りは8と0です。
8+0=8は3で割り切れないので、5798458126307は3の倍数ではありません。

【4の倍数】「493836」が4の倍数であることは見た瞬間にわかる

493836は4で割り切れます。見分ける方法は超カンタン。

その数字の下二けたが4の倍数なら、その数は4の倍数です。

【見分けられる理由】
ABCDEF(A~Fは~9の数字。A≠0)という6けたの数で考えてみましょう。
やはり整数の仕組みの基本にもどりますが、少し省略バージョンにして、下二けたとそれ以外に分けるとこのような式になります。

ABCD×100+EF

ここで100=4×25は4の倍数ですから、ABCD×100は4の倍数とわかります。残るのはEF。つまりEFが4の倍数なら、ABCDEFは4の倍数という事になります。

【5の倍数】「123123110」が5の倍数かどうか0.1秒で見分けよう

123123110は5の倍数です。見分け方は、

一の位の数字が0か5なら、5の倍数です。

【見分けられる理由】
5の倍数は、5, 10, 15, 20…一の位が5と0のくり返しだから。
48290, 2873645…どんなに大きな数字でも同じです。

【6の倍数】「132132132」が6の倍数かどうか1秒で見分けよう

132132132は、6の倍数です。

その数字が2の倍数であり、3の倍数でもあるならその数は6の倍数です。

 

【見分けられる理由】
6の倍数は、6=2×3の倍数。つまり、2の倍数であり、3の倍数でもあればいいわけです。2の倍数は偶数。3の倍数の見分け方は各けたの数字を足して3の倍数ならその数は3の倍数。
132132132は偶数であり、各けたの数字を足すと18で3の倍数ですから6の倍数です。

【7の倍数】「123457789」が7の倍数か見分ける。上級!

答えは、7の倍数です。見分け方は、

(1) 数字を一の位から3つずつにくぎって3けたの数字にわけます。
(英語の数字の表記と同じで1000ごと)

(2) 3けたの数字をひとつ飛ばしで足してそれぞれの和を求めます。

(3) 2つの和の差を求めて7の倍数であれば、その数字は7の倍数です。

文章だとわかりにくいですね。実際にやってみましょう。

123457789=123,457,789
←数字を一の位から3つずつにくぎって3けたの数字にわけます。

123+789=912

457
←3けたの数字をひとつ飛ばしで足してそれぞれの和を求めます。

912-457=455
←2つの和の差を求める

455(=7×65)は7の倍数なので、123457789は7の倍数。

≫ 7の倍数を見分ける方法のくわしい解説はこちら

【8の倍数】「493832」が8の倍数である理由を考えてみよう

493832は8で割り切れます。見分ける方法は、

数字の下三けたが8の倍数なら、8の倍数です。

【見分けられる理由】
4の倍数の見分け方の理由をしっかり理解できていれば、8の倍数は同じ考え方で説明できます。
では、またABCDEF(A~Fは0~9の数字。A≠0)という6けたの数で考えてみましょう。
下三けたとそれ以外に分けるとこのような式になります。

ABC×1000+DEF

ここで1000(=125×8)は8の倍数ですから、ABC×1000は8の倍数とわかります。残るのはDEF。つまりDEFが8の倍数ならABCDEFは8の倍数という事になります。
DEFが8の倍数であることを見分けるのは、ひっ算でもいいですが、2で割った数字の下二けたが 4の倍数かどうか見分ければわかりますね。

【考えてみよう!】
6(=2×3)の倍数は、2の倍数であり、3の倍数であれば6の倍数と見分けることができました。では同じように8(=2×4)の倍数は、2の倍数であり、4の倍数であれば8の倍数としていいのでしょうか?

ベン図で見てみましょう。

6の倍数は2の倍数であり3の倍数の説明図

2の倍数であることと3の倍数であることは上図のような関係にあります。2の倍数でも3の倍数でもある数字は必ず6の倍数です。

ところが、2の倍数であることと4の倍数であることは、下の図の関係なので4の倍数であればそもそも必ず2の倍数です。

8の倍数は2の倍数であり4の倍数なだけではない説明図

つまり、2の倍数であり4の倍数でもあっても、それだけでは4の倍数であることしか確定できず、8の倍数であるとは限りません。なので、6の倍数の見分け方と同じようには考えられないのですね。

【9の倍数】「123123123」が9の倍数か見分ける1秒技

123123123は9で割り切れます。見分ける方法は3の倍数を見分ける方法を9に変えるだけ。

各けたの数字の和が9の倍数であれば、その数字は9の倍数です。

この問題では、1+2+3+1+2+3+1+2+3=18なので、123123123は9の倍数とわかります。

【見分けられる理由】
3の倍数を見分ける方法と基本的に同じなので自分でも考えてみるといいでしょう。
ABC(A~Cは~9の数字。A≠0)という3けたの数字で考えてみましょう。整数の仕組みの式で表すと、

ABC=A×100+B×10+C×1

これを変形していきます。
注目するのは、

100=99+1
10=9+1

であること。
100=99+1, 10=9+1におきかえてみます。

ABC=A×100+B×10+C×1
=A×(99+1)+B×(9+1)+C×1
= A×99+ A×1+B×9+ B×1+C×1←分配の法則
= A×99+B×9+ A×1+ B×1+C×1←順番を変更

99=9×11, 9=9×1(9の倍数)であることに注目しておきかえます。
=A×99+B×9+A+B+C
= A×9×11+B×9×1+ A×1+ B×1+C×1
=9×(A×11+B×1)+(A+B+C)←結合の法則

9×(A×11+B×1)が9の倍数であることがわかりますね。
残った(A+B+C)が9の倍数であればこの整数は9の倍数ということになります。
もっと早いやり方も3の倍数と同様です。9に変えてやってみましょう。

【10の倍数】「123123170」が10の倍数かどうか光速で見分けよう

123123170は10の倍数です。見分け方は、

一の位の数字が0なら、10の倍数です。

【見分けられる理由】
10の倍数は、10, 20, 30…100, 110,…一の位は常に0です。
下二けたが00なら100の倍数、下三けたが000なら1000の倍数、下四けたが0000なら10000の倍数ですね。

【11の倍数】三けた以上の数字もOK。11の倍数を見分ける方法。超上級!

11, 22, 33,…99。二けたまでの11の倍数を見分けるのはカンタン。同じ数字がならんでいれば11の倍数ですね。三けた以上の数字の見分け方を2つ紹介しましょう。一つは7の倍数の見分け方とまったく同じです。

方法1

(1) 数字を一の位から3つずつにくぎって3けたの数字にわけます。
(英語の数字の表記と同じで1000ごと)

(2) 3けたの数字をひとつ飛ばしで足してそれぞれの和を求めます。

(3) 2つの和の差を求めて7の倍数であれば、その数字は11の倍数です。

123450789=123,450,789
←数字を一の位から3つずつにくぎって3けたの数字にわけます。

123+789=912

450
←3けたの数字をひとつ飛ばしで足してそれぞれの和を求めます。

912-450=462
←2つの和の差を求める

462(=6×7×11)は11の倍数なので、123450789は11の倍数。

方法2

(1) 各けたの数字を一の位からひとつ飛ばしに足してそれぞれの和を求めます。

(2) 2つの和の差を求めて11の倍数であれば、その数字は11の倍数です。

5けたぐらいの数字のときに便利です。実際にやってみましょう。

527395=5, 2, 7, 3, 9, 5

5+7+9=21
2+3+5=10
←ひとつ飛ばしで集めて大きなグループを2つ作りそれぞれの和を求める

21-10=11
←2つの和の差を求める

11は11の倍数なので、527395は11の倍数。

≫ 11の倍数を見分ける方法のくわしい解説はこちら

【12の倍数】132132132は12の倍数と2秒でわかる方法

132132132は、12の倍数です。見分け方は、

その数字が3の倍数でかつ4の倍数でもあるなら、その数は12の倍数です。

【見分けられる理由】
これは6の倍数の見分け方と同じ考え方です。12の倍数ということは12=3×4の倍数。3の倍数であり、4の倍数でもあるということと同じです。3の倍数の見分け方は、各けたの数字を足したものが3の倍数かどうかです。4の倍数の見分け方は、下二けたが4の倍数であれば4の倍数。

132132132は下二けた32は4×8=32なので4の倍数。132132132は各けたの数字を足すと3の倍数ですから、12の倍数です。

【13の倍数】「513789436476」が13の倍数かどうか。上級!

513789436476は、13の倍数です。見分け方は、7の倍数の見分け方と同じです。

(1) 数字を一の位から3つずつにくぎって3けたの数字にわけます。
(英語の数字の表記と同じで1000ごと)

(2) 3けたの数字をひとつ飛ばしで足してそれぞれの和を求めます。

(3) 2つの和の差を求めて 13の倍数であれば、その数字は 13の倍数です。

7の倍数の見分け方を同じ!です。
513789436476=513,789,436,476
←(1) 数字を一の位から3つずつにくぎって3けたの数字にわけます。

513+789=1302
436+476=912

←3けたの数字をひとつ飛ばしで足してそれぞれの和を求めます。

1302-912=390
←2つの和の差を求める

390は13の倍数なので、513789436476は13の倍数。

≫ 13の倍数を見分ける方法のくわしい解説はこちら

まとめ

倍数の見分け方は知っていると数字に対する親しみがわいてきます。ちょっとお得な気にもなりますね♪倍数を見分ける方法を覚えることも必要になりますが、なぜその方法で倍数を見分けられるのかを一度は考えてみましょう。

それぞれの解説はすべて整数の仕組みが元になっています。見分けたい倍数とそれ以外にわけるという発想も共通しています。そういう規則に気がつくのも思考力をとても高めます。ただ7と11と13の倍数は小学生には少し難解ですので、見分ける方法も解説も無理をして覚える必要はありません。子供たちが楽しめる範囲を見ながら教えるのもコツのひとつです。ご参考までに。

最後までお読みいただきありがとうございました。少しでも子供たちの成長のお役に立てれば幸いです。

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