1 dL(デシリットル)って何mL (ミリリットル)?【体積の単位の換算】
デシリットル、dL、ミリリットル、ml、立方センチメートル、cc、体積、容積…単位や言葉がたくさんあってモヤモヤ混乱しやすいですね。しっかり基本の考え方と言葉の意味さえ理解すれば、スッキリすらすらと単位換算ができるようになって、算数はもちろん理科の学習にも役立ちます!苦手意識やギモンを一気にふき飛ばして今日から単位博士になろう!
目次
体積(容積)の考え方①(メートル法)
1m(メートル)の長さで考えてみましょう。1m2(平方メートル)の面積とは1mの長さに囲まれた面(広さ)のことをいいます。1m×1m=1m2(平方メートル)、2次元ですね。1m3(立方メートル)の体積とは1mの長さに囲まれた空間の大きさこと。1m×1m×1m=1m3(立方メートル)、3次元ですね。これらの単位をまとめると、
長さ:m
面積:m2 (m×m)
体積:m3 (m×m×m)
読み方は、
長さ:m →メートル
面積:m2 →平方(へいほう)メートル
体積:m3 →立方(りっぽう)メートル
1cmの長さとして考えても同じことです。
長さ:cm →センチメートル
面積:cm2 (cm×cm)→平方(へいほう)センチメートル
体積:cm3 (cm×cm×cm)→立方(りっぽう)センチメートル
体積(容積)の考え方②(リットル)
図のように一辺が10cmの長さに囲まれた空間の大きさ(体積)、10cm×10cm×10cm=1000cm3を1L(リットル)と呼びます。なので、L(リットル)は体積(容積)だけに使う単位。
1000cm3(立方センチメートル)=1L(リットル)
1L(リットル)=10cm×10cm×10cmの四角い箱と同じ大きさですが、通常の牛乳1パックは1L(リットル)なので実際の量もイメージできるようにしておきましょう。
1dL(デシリットル)って何mL(ミリリットル)?
さて、L(リットル)にも細かい単位があります。小学生でも出てくる単位は、mL(ミリリットル)とdL(デシリットル)。ここで重要なのは、mL(ミリリットル)のm(ミリ)の意味とdL(デシリットル)のd(デシ)の意味をきちんと理解しておくことです。
m (ミリ):1000分の1
d(デシ):10分の1
m(ミリ)はmm(ミリメートル)でも使われていますが、最初に定規を使って1cm=10mmと教わるためにミリの本来の意味を知らないままのことも多いんですね。1mm(ミリメートル)は、1m(メートル)の1000分の1という言葉そのままの意味なのです。まとめると、
1L(リットル)=1000cm3(立方センチメートル)
1mL(ミリリットル)=1000分の1L(リットル)
1dL(デシリットル)=10分の1L(リットル)=100mL(ミリリットル)
1dL(デシリットル)を10mL(ミリリットル)とする間違いが多いので注意。1mL(ミリリットル)=1cm3(立方センチメートル)ということもしっかり押さえておきましょう。
お料理でよく見かけるcc.(シーシー)って何?
ccとは、Cubic Centimetre(キュービック センチメートル)が省略されたもの。キュービックとはあのキュービックループの形の通り「立方(体)」ということです。つまりなんということはない「立方センチメートル」cm3と同じことなのです!省略形なので、cc.、c.c.、cc.とように点(ピリオド)を使って書きます。
ここでおさらいです。
1cm3(立方センチメートル)=1mL(ミリリットル)=1cc.(シーシー)
モヤモヤがすっきり!ですね。
単位の換算の問題を解くコツ
これまでの説明のように、体積(容積)の単位にはm(メートル)で表したメートル法とリットルで表す方法があります。単位の換算の問題は、3パターン。
(1) メートル法→メートル法(例:1m3は何cm3?)
(2) リットル→リットル(例:1dLは何L?)
(3) メートル法⇔リットル(例:1m3は何dL?)
(1)メートル法→メートル法の単位換算のポイント
注意するのは、1m3は、100cm3ではないということ。
1m3=1m×1m×1m= 100cm×100cm×100cm=1000000cm3(0が6個)。
つまり体積=長さ×長さ×長さです。
実際に解いてみましょう。
例題1:7.5m3は何cm3?
具体的な数字が入っているときは数字だけを別に考えます。
7.5×1m3
=7.5×1m×1m×1m
=7.5×100cm×100cm×100cm
=7.5×1000000cm3
=7500000 cm3(0が5つ)
(2)リットル→リットルの単位換算のポイント
これはmL(ミリリットル)、dL(デシリットル)、L(リットル)の倍数の関係がわかっていればそのまま計算すれば大丈夫。
1dL(デシリットル)は10分の1L(リットル)ですから、0.1L(リットル)ですね。
例題2:0.475L(リットル)は、何dL(デシリットル)?
1L(リットル)=10dL(デシリットル)なので、
0.475L(リットル)=10×0.475=4.75dL(デシリットル)
このようにイコール(=)をたてにならべて確認しながら換算しましょう。
(3)メートル法⇔リットルの単位換算のポイント
1mL=1cm3を覚えておくこと。これで怖いものなし。
メートル法、m3(立方メートル)やmm3(立方ミリリットル)で表記されている単位は、cm3(立方センチメートル)に直します。
L(リットル)やdL(デシリットル)で表記されている単位は、mL(ミリリットル)に直します。
1mL=1cm3を使って、メートル法はリットルに、リットルはメートル法に変えます。
あとは、(1)(2)の手順と同じです。
実際にやってみましょう。
例題3:3.5m3は、何dL(デシリットル)?
まず、3.5m3の単位をcm3に直します。
3.5×1 m3=3.5×1000000cm3=3500000cm3
1mL=1cm3ですから、3500000cm3=3500000mL
100mL=1dL(m(ミリ)とd(デシ)の言葉の意味を思い出しましょう)
ですから、3500000mLの0を2つ取って35000dL。
練習:①24dL ②25mL ③9.6L ④3.75cm3 ⑤53mm3 をそれぞれdL(デシリットル)とmL(ミリリットル)に換算しましょう。
答え:
①24dL=2400mL(ミリリットル)
②25mL=0.25dL(デシリットル)
③9.6L
=96dL(デシリットル)
=9600mL(ミリリットル)
④3.75cm3
=<3.75mL(ミリリットル)
=0.0375dL(デシリットル)
⑤53mm3
=53×1mm3
=53×0.1cm×0.1cm×0.1cm
=53×0.001cm3
=0.053mL(ミリリットル)
=0.00053dL(デシリットル)
そもそも、容積と体積ってどう違うの?
容積の「容」は「容れもの(いれもの)」という意味。容積は、いれ物の中にモノ(液体、気体、固体など)を入れることができる量、つまり、モノを入れることができる空間の広さのことです。たとえば「水の容積」という言い方はしません。「水の体積」はOK。水はいれ物ではないですからね。物理的にはまったく同じに使われるので単位の換算をする上で、この言葉の違いは意識しなくても問題ありません。もしお子さんから質問されたら水の例を出してあげるといいですね。混乱するようなら、問題を解く分には同じと思っていていいよ、で良いでしょう。
dL、dl、㎗、デシリットルってどれが正式な表記?
小文字のlが数字の1と似ていて紛らわしいために試行錯誤していろいろな表記が生まれました。結論をいうと、リットルの表記は小文字のlか大文字のLがSI(国際単位系)という公式の組織から認められています。筆記体のエル㎗は認められておらず、日本の教科書も大文字のLを使用するように変わってきています。斜体のエルは、物理の記号なのでこれは誤り。ただ、本来は単位で大文字を使うときは、人の名前に由来する場合のみです。有名なところでは、周波数Hz(ヘルツ)がハインリヒ・ヘルツ、電気のW(ワット)は数学者でエンジニアのジェームス・ワットにちなんでつけられたものです。
まとめ
体積(容積)とは、長さ×長さ×長さで示す空間の大きさのこと。メートル法での変換はこのことを意識して1m3=100cm3などとしないように気をつけましょう。L(リットル)は、メートル法の体積の単位の間をうめる便利なもの。mL(ミリリットル)dL(デシリットル)は言葉の意味をしっかり理解してLの何倍かを覚えておきましょう。リットル同士の変換は倍数でそのままやってOK。メートル法とリットルの変換は、1mL=1cm3を橋渡しにして丁寧にやれば間違えません。1000 cm3=1Lの方が覚えやすければそれでも構いません。「基本を理解したら」自分なりの近道を探しても大丈夫です。いくつかの問題を早速やって自信をつけてしまいましょう!
少しでも子供たちの成長のお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。