算数問題は、やっぱり”ひらめき”がものを言う?
算数はやっぱりセンスよね、うちの子はそもそも文系だから苦手なのよね~とお子様を早々にクラスわけする前に…算数に「ひらめき」は必要でしょうか。答えはイエスです。ほら💦やっぱり…いえいえ、算数はもちろん天才だけの学びではありません…ひらめくための「算数センス」は学んで身につけられるものなのです。
半径2センチの円と、底辺2センチの三角形がかかれています。頂角(赤)の大きさは?
この適当のようにも見える図形ですが、さて、魔法の点を書いてみましょう。
魔法の点、はい円の中心です。そこから半径を引いてみましょう。いろんな図形が見えてきませんか?
半径はすべて等しい!→一辺が2cmの正三角形が見えた!→二等辺三角形が見えた!→同じ大きさの角が見えた!→答えが見えた!正三角形の角60度の半分で30度。ひらめきの連鎖!です。
円の半径が等しいのは知識(事実)ですが、円は中心から同じ距離の点が集まったもの、これは円の本質です。そう理解すると、問題を解くための知識が、とても大きな可能性を帯びてきますね。円があったら中心を考える→半径を考える。「補助線を引く」は塾でも教える有効なテクニックですが本質の理解なくやみくもに引いても、図が見えにくくなるだけ(涙)。
「ひらめき」はものごとの本質の理解から生まれる。
本質の理解を意識して学習、あるいは指導をすれば、誰でも算数のひらめきを楽しむことができるのです。でも、本質の理解ってどうすればいいのかな…たとえばこれはある生徒さん親子の疑問でした。
4001を千の位まで切り上げると、5000…気持ち的に納得できない。
ルールだけで理解すると正解、でもどうも腑に落ちないんです…と。では、4001枚の紙を1000枚入るフォルダーにあまることなくしまう、ことを考えてみましょう。4001枚あったら4+1=5つフォルダー、つまり5000枚はいるスペースが必要になりますよね。(無理に1枚ねじこんではだめ💦)これが「切り上げ」のコンセプトです。1000という「量の単位」での理解。あまったものは捨てちゃえ、というのが「切り捨て」。生活の中で自然に使う考え方ですね。
子供たちの「?」は算数センスの種。とことんひも解こう
苦手意識をもっているならなおさら、とにかく丁寧に、丁寧にひもとくこと。無理に暗記で上塗りしていくと、モヤモヤは蓄積するばかりで、脳の吸収力は低下していきます。
勇気を持ってできるところまで戻りましょう!一年、二年前の単元に戻ってもかまいません。はるかに学習効率がよい。素朴な「?」を追求する中に、算数のおもしろさが隠れています。
「問題を解く」のは二次的な学習、算数は「本質」を学ぶためのものであること。算数脳を鍛えることで、その応用範囲はサイエンス、IT、音楽…そしてコミュニケーション能力にも影響していくのです。苦手意識や、後ろ向きな気持ちでは、せっかくの学びの機会がもったいない!たくさん「?」の種をまいて、算数のひらめきの花を咲かせましょう!