13の倍数を見分ける方法と算数の学び方
13の倍数の見分け方は難度は高く、受験算数レベル。でも知っていると算数のおもしろさが増すと思います。黒板の問題、14789788が13の倍数かどうかをひっ算せずに見分けましょう!答えはこちら
目次
〇の倍数を見分ける方法、基礎となる考え方
(1) 数字を10進法の式で表す。
ABCという3けたの数字があったとしましょう。10進法で表す数は、次のような式で表すことができます。
ABC=A×100+B×10+C×1
72534という数字は、
7×10000+2×1000+5×100+3×10+4×1
(2) 10進法の式を変形する
問題の数字が〇の倍数であるかを確かめるためには、10進法の式で表したあとに変形していって、
〇の倍数+それ以外
という形に直すことです。
すると、「それ以外」が〇の倍数であれば、その数字が〇の倍数とわかります。
(3) 13の倍数の見分け方のポイント
1001=7×11×13
つまり、1001の倍数であれば、13の倍数でもあることを利用します。
さっそく具体的に見ていきましょう。
≫ 7の倍数の見分け方
≫ 11の倍数の見分け方
≫ 3~13までの倍数の見分け方を一挙に紹介
13の倍数を見分ける方法
(1) 数字を一の位から3つずつにくぎって3けたの数字にわけます。
(英語の数字の表記と同じで1000ごと)
(2) 3けたの数字をひとつ飛ばしで足してそれぞれの和を求めます。
(3) 2つの和の差を求めて13の倍数であれば、その数字は13の倍数です。
実際にやってみましょう。
「123450789」は、13の倍数かを見分けます。
(1) 一の位から3つずつにくぎって3けたの数字にわけます。
123450789=123,450,789
(2) ひとつ飛ばしで足してそれぞれの和を求めます。
123+789=912(青の数字をたす)
450(赤の数字をたす)
(3) 2つの和の差を求める(大きい方から 小さい方を引く)
912-450=462
462=7×11×6
なので、462は13の倍数ではないとわかります。
問題の数を、ABCDEFGHIとします。(A~Iは0~9の数字。A≠0)
(ABC+GHI)-DEF
が13の倍数であるかどうかで、ABCDEFGHIが13の倍数かどうかを見分けることができます。理由を考えてましょう。
13の倍数を見分けられる理由(ここが肝心)
(1) ABCDEFGHIを3つずつに区切ってわけます。
ABC, DEF,GHI
(2) ABCDEFGHIを10進法の式で表します。3けたごと(×1000)の省略形です。
ABC, DEF, GHI
=ABC×1000000+ DEF×1000+GHI×1
=ABC×1000×1000+ DEF×1000+GHI×1
(3) 1001が13の倍数であることに着目します。
1001=13×11×7
1000を1001-1におきかえます。
=ABC×1000×1000+ DEF×1000+GHI×1
=ABC×1000×(1001-1)+ DEF×(1001-1)+GHI×1
=ABC×1000×1001-ABC×1000×+ DEF×1001- DEF+GHI×1
=1001×(ABC×1000+ DEF)-ABC×1000- DEF+GHI
1001でまとめました。×1001でくくった1001×(ABC×1000+DEF)はもう13の倍数と分かっていますので消していきます。残ったのは、
GHI-ABC×1000- DEF(-が前にこないように順番を変えてあります)
ここでまた1000を1001-1におきかえます。
GHI-ABC×1000- DEF
= GHI -ABC×(1001-1)- DEF
= GHI-ABC×1001+ABC- DEF
×1001の項-ABC×1001は消していきます。残ったのは、
(GHI+ABC)- DEF
この式で求められる数字が13の倍数であれば、ABCEFGHIも13の倍数であることがわかりました。
大きいけたでも同じことです。ABC DEF GHI JKFという数字であれば、
(ABC+ GHI)-( DEF+ JKF)が13の倍数かどうかで見分けます。
黒板の問題の答え
14789788を、14/789/788のように1の位から3けたずつ区切ります。ひとつ飛ばしの和ですから、
14+788=802と789ができますね。この2つの和の差ですから、
802-789=13
この導かれた数字で判断します。13は当然13の倍数ですから、14789788は13の倍数というわけです。
ひっ算でたしかめてみましょう。答えは、1,137,676見事割り切れました!
「なぜ、そうなるのか」を考えることで思考力を鍛える
倍数の見分け方で学ぶのはまず視点をずらす面白さ。同じ数字でも形が変わると、いろんな法則が見えてくる。知恵と知恵がくっついて、新しい発想が光る瞬間です。難問に見えるのこの問題、たし算、引き算、かけ算しか使ってないのです。
未知なる問題に向かうためには、必ずしも難しい定理が必要なわけではありません。物事の本質を深く理解して対応していく、算数にはしなやかな思考力が大切です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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